あまねく奇跡の始発点

ルシファー

試合前の控室で惰眠をむさぼるルシファー。
手にした通信デバイスには大量の未読メッセージが。
「ああ、試合の時間だったな……」
そうして彼女はまどろみの続きを楽しんだ。

荒廃したエリジウムの地で天然食材は貴重品だ。
ほとんどはプラントで製造された合成食品が食卓に上る。
味、見た目、安全性、栄養バランス、いずれも完璧だが
異なる世界の『本物の味』を知るヒーローたちには、 
どうしても物足りないらしい。

悪徳と『エンタメ』の街〈ダイバーランド〉。
夜ともなればその危険もいや増す。
しかし、最強のふたり（主にルシファー）なら平気だ。
気の向くままに真夜中をクルーズする。

『さあさ、祭りだ！　盛り上げろ！』
威勢のいいエンマのかけ声が飛ぶ。
フェスティバトルに必要なのは心を動かす熱さだ。
『オリジナル』の記憶から再現した『お祭り』で
エンマはエリジウムに『熱』を届ける。